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Cubicus/キュービックス
ネフ社のキュービックスは基本的に子供のためのおもちゃで積み木です。
見方、考え方はもちろん自由なのですが、ここでは一応パズルでもなく、オブジェでもなく、あくまでも積木としてお話いたします。
一番小さなパーツが25mmの立方体なので25mm基尺ということになるとは思います。
パーツ数は全部で10個ですが4種類の大きさ(形)から構成されています。
ものすごく複雑そうに見えるこの形、簡単にご説明すると
【100mm角の立方体をどうやって分割するか?】
ということからはじまります。
分割の考え方
まず100mm角の立方体をご想像ください。この立方体の一つの角を基準として、それにつながる3面に対して25mmずつ面に対して平行に切り込んでいきます。
すると75mm角の立方体が生まれます。
同じ要領でまた75mm角の立方体から切り込むと50mm角の立方体、次に切り込むと25mmの立方体が出来上がります。
最初の100mm角の立方体から考えると3回切り込みましたが、その時出来た残りのパーツを同じ要領で25mm間隔で切り込んでいくと、結果的に25mm角の立方体4個をはじめとした合計10パーツで構成されることになります。
これが作者であるペア・クラーセンの分割の考え方だと思われます。
(ご注意!これはあくまでもがりとん的解釈です)
1.キュービックス 基本の『き』みたいな積み方
まずはまっすぐ(机と平行に)においてみましょう。
上にひとつ置くとこんな感じになります。
斜めにおいてみます。
(これをひとつ置いてなべを置き、五徳代わりに使っている子供もいました。)
25mmの立方体が入る穴があります。
そこで別のパーツを乗せると
立ちました。
実は他にもありますが100mm角の立方体を作るときの方法と同じになりますので、今回はあえて削除いたしました。
基本はたったこれだけです。
後は組み合わせによりいろいろ・・・。
2.キュービックスは本当に難しいのか?
一般的にそれまでの経験を基に《出来る。出来ない。》を分別できる子供から大人の感覚でみると、突如目の前に現れた不可思議な物体はどうしても《難しい物体》と処理してしまう傾向にあるようです。
確かに造形的に優れた作品であるため、造形的な《作品》を作ろうとすると、ちょっとやそっとじゃ作れないから確かに《難しい》のかもしれません。
かと言って《何歳くらいから》などと言ってしまうと、きっちり『何歳からのもの。』になってしまい、その結果せっかくもっと小さい時期に渡そうと思っていた親の気持ちを躊躇させる原因になってしまいます。
そこで《ちっちゃい子向け》キュービックスの遊び方を考えてみました。
3.キュービックスでいないないばあ遊び
①一番大きなパーツを取り除き1辺が75mmの立方体を作ります。
②一番中心の25mmの立方体を取り外し、その代わりこの中にすっぽり納まるくらいのまったく違うものを入れましょう。
③上から残りのキュービックスのパーツを分からないように組み立て、元の75mm立方体にします。
『いないないばあ』といいながら③のパーツをスライドさせます。
すると
中のものが見えましたよね。実店舗のお客様に何度となく試しましたが結構うけるんです。
キュービックスには斜めの概念がありますので、同じようにセットし
斜めにおいて子供に蓋を開けさせる様にしたらいかがでしょうか?
応用編として一番大きなパーツを使用して同じものを作ると、大きな物を中に入れることが出来ますので、さらに楽しさ倍増します。
このように2段階にいないないばあ遊びが楽しめるのです。
4.キュービックスでプチ人形ごっこ
用意するのは一番小さい25mm角の立方体4個と次に大きいパーツ3個、お手持ちの人形数体etcです。
たまたま工作用自在人形で遊んでいた時なんとなく座るポーズを作り
キュービックスの2番目に小さいパーツに座らせたら何とピッタリ!
とりあえず椅子をもう一個、テーブルをひとつ作りました。
これで何かお話作れますよね?
5.ネフ社 キュービックス つなげて、触って、見立てて、がちゃがちゃ遊ぶ。
どうやら電車らしいのです。
ちょっと無理がありますがお風呂だそうです。
おしゃれな猫足のお風呂でしょうか?
何だか分かりませんが実店舗でキュービックスを掴んで離さない1歳くらいの子供を見ていると掴みやすいのでしょうか?
がちゃがちゃ遊んでいます。
別に積んでいるわけでもなく、並べるわけでもなく・・・。
何かに取り付かれたかのようにガチャガチャ、バラバラ遊んでいます。
《塊》から《バラバラ》になる事の変化が楽しいのでしょうね。
だったらこれは間違いなく《キュービックスの遊び》だと思います。
キュービックスを知らないお客様が来店し、プレイルームでキュービックスを手にすると時々壊したと思ったのでしょうか?
『ひっっっ!』
という声を耳にします。
塊のはずが意図せぬところでバラバラになったからなのでしょう。
その後、慌てて組立てようとしますがなかなか組立てられません。
結構悩まれて元通りになる方もいらっしゃれば出来ない方もおられます。
『難しいパズルやね・・・。』
なんて声も時折聞こえてきます。
でもこの間一生懸命(あせって余裕はないかもしれませんが・・・)遊んでいるのは大人であれ、まったく分からないであろう1歳前後の子供であれ
周りから見ている行為は同じなのです。
ガチャガチャ、バラバラ。
表裏一体?の楽しいおもちゃです。
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商品名:キュービックス Cubicus
[赤/青/白木/モノクロ]
作者:ペア・クラーセン Peer Clahsen
メーカー品番:9609
製作年:1968
サイズ:h.100mm w.100mm d.100mm
パーツ数:10ピース
材質:木(カエデ)/紙箱入