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Ligno/リグノ
リグノという積木はネフスピールと同様赤、青、黄、緑の合計4色からなり、
1.1辺50mmの立方体×16個(4色×4個)
2.その中に入る長さ50mmの円柱×12個(4色×3個)
3.さらに各色1組ずつ長さ25mmの1/2円柱×8個(4色×2個)
から構成されています。
お子様の年齢だけでは一概に言えないこともあるのですが、始めから全部渡すのではなく、その中の1組とか2組とか4組とか、お子様の反応、順応などの状況にあわせて少量ではじめ、少しずつ増やしてあげるのがいいと思います。
突然今までになかったものがたくさん出現することによりパニックになり、楽しいものから嫌なものに変わってしまう恐れもあるからです。
《作品例》のようにしてしまうとそれがすべてのようになる可能性があるため、基本的なつながりや方法について少しお話いたします。
リグノという積木は基本的に円柱を立方体の中に出し入れできる積木です。ただ、ここからどういう風に発展させるかということ(関連付け)が重要になってくるのです。
リグノの遊び1.1/2円柱の利用
通常の円柱とは違い、1/2円柱を入れると1/2だけまだ入れられます。
そこに1/2円柱を入れると円柱を入れたときと同じになります。
大人にとってこれはごく当たり前のことですが子供にとっては1個入れたときと2個入れたときで高さが同じ。
という発見があります。
もしくは不思議と思うかもしれません。
物理で言うところの《仕事量》は同じであっても工程が明らかに違うのです。
またこれの応用で、まずは立方体と円柱のセットを普通に2個積んでください。
この状態では立方体同士は横から押すと離れてしまいます。
その後お子様の見えないところで、立方体の中に1/2円柱を1個入れ、さらに円柱を入れると1/2だけ立方体から突き出た状態になります。
そこに2個目の立方体を入れると、また1/2へこんだ状態になりますので、更に1/2円柱を入れると見た目には先に立方体を2個積んだものとまったく同じになります。
これを先に作った《普通》の2個積みの物の横に並べます。
普通に立方体を2個積んだ状態では簡単に崩れますが、上記のように積んだものは崩れないはずです。
またここで発見、あるいは疑問、不思議が出てくるのです。
リグノの遊び2.つながる遊び
立方体を円柱が上下に通るようにたくさん積み上げます。
一番上から円柱を1個入れます。
音を立てながら落ちていきます。トロンボーンのような音の変化が楽しめます。
同じように立方体を円柱の穴が横に通るように並べ、円柱を1個入れます。
中に入ります。
もう1個入れます。
また吸い込まれるように中に入ります。
これを続けるといずれ反対側からところてんのように出てきます。
(立方体をずれないように手で押さえる必要はありますが・・・)
作業しているところとは別のところで変化が起こる訳です。
これでびっくりされるお子様もたくさんいらっしゃいます。
並べるばっかりでと嘆くお母さんも多いですが、並べるのも積むのもつながりはまったく同じです。
気にしないでくださいね。
リグノの遊び3.構成遊び
子供は色分けが大好きです。
4色ありますので並べ方、積み方をしばらく観察していると何らかの法則で並べだすことがあります。
ただこれをするのがどのくらい先になるかは個人差がかなりあるので、焦らずゆっくり見てあげることが大事なのですが・・・。
しかしこれも子供にとっては進歩であり発見なのです。
そのほか、中心に1個置きそこから対称に並べて図形を楽しんだり、それに色を加えてより複雑にしたりと遊び方はさまざまです。
リグノの遊び4.おまけ
収納用木箱を出来たら一緒にお買い求めください。
収納用って書いてしまうといけないですね。
これを使うとまたちょっと楽しいのです。
4色あって4個ずつ並べてつなげてモザイク遊びが出来るのです。
『リグノやネフスピールで遊んでいてもなかなかおかたづけが出来なくって・・・。』
時々こういったお話を耳にします。
でも考え方、もっていき方次第です。
『おかたづけ』ではなく、『この箱で遊ぼうか?』です。
言い方が悪いかもしれませんが子供の習性を利用しましょう。
並べる。集める。色分けする。・・・大好きです。
ちょっとパターン遊びをして
『今日はハイおしまい。』
結構いいような気がします。
ぜひお試しあれ。
中には(よく相談を受けるのですが)壊してばっかりで・・・。というお話も耳にします。
でも小さいうちのその行為は、破壊ではなく《変化》を楽しんでいるので、怒らず、焦らず、どんどんやらせてあげてください。
一時的な流行なので飽きるときが来ると思います。
時に円柱がママゴトの道具になったり、立方体の円柱が入るべき穴にボールを乗せてソフトクリームって言ってみたり・・・
そっと見ていると、いろいろなことに使うことがわかると思います。
リグノに限らず積木は砂場の砂のような存在であり、何にでもなれるものなのです。
子供の知らないことを子供にとって難しい理論で語るより、子供にとって理由はわからないけれど、なるべく子供自身で発見させてあげるということが積木の本来あるべき姿なのだと思います。
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商品名:リグノ Ligno
作者:ペーター・シュミット Peter Schmid
メーカー品番:9408
製作年:1959年
サイズ:h.50mm w.50mm d.50mm(立方体)
φ.33mm(円柱直径約)
パーツ数:36個
材質:木(かえで)/紙箱入