ケーセン社の歴史
ドイツで質の高い動物のぬいぐるみを作り続けているケーセン社。正式な社名は『Koesener Spielzeug Vertriebs GmbH』と書きます。
東西ドイツの壁の崩壊後、質の高いぬいぐるみを作り続けることをコンセプトに再出発したメーカーですが、実はケーセン社の工房はこの時に立ち上げたものではなく、もっと古くから営まれているのです。
1912年、ワイマールの近くにある保養地バート・ケーセンにケテ・クルーゼ夫人がひとつの工房を作りました。ケテ・クルーゼ人形という名で親しまれている抱き人形を作っていた工房がケーセン社の前身なのです。
東西に分裂した後、ケテ・クルーゼ社は西ドイツに移りましたが、残った工房は東ドイツの国営企業としてケテ・クルーゼ社の下請けを続けました。しかしその人形作りも次第に衰退していくことになります。
それに変わって力を入れ始めたのが芸大のデザイナーやアーティストと組み、独自の路線で動物のぬいぐるみを製作することでしたが、共産主義体制の中で求められるのは安価なものばかりで、満足のいくものとはかけ離れていたようです。
壁の崩壊後、バート・ケーセンの市長であったシャッヘ氏がこの工房を世界一にしようと経営にのりだしました。
ケーセン社のロゴは、ぬいぐるみメーカーでナンバー1を目指す気持ちとして、また、社長であるシャッヘ氏が獅子座生まれであるということから百獣の王ライオンをモチーフにしたそうです。
一時は工房を維持する為シュタイフ社の下請けも行いましたが、現在ではそういった下請けは一切行うことなく独自の制作活動をしています。
また、人気のジルケ人形の制作もケーセン社が行っていますが、このことはケテ・クルーゼ人形の制作から出発したケーセン社にとって、実に数十年ぶりに人形制作が復活したことになるのです。
毎年10体ほどの新作ぬいぐるみを出し続けるケーセン社。
一切の妥協を許さないケーセン社が、この先どのようなものづくりをしていくのか楽しみです。
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